過熱水蒸気とは

過熱水蒸気とは

飽和水蒸気に、さらに熱を加え100℃以上の高温の水蒸気を過熱水蒸気といいます。

過熱水蒸気の特性

  • 過熱水蒸気の伝熱は対流伝熱の他に、放射伝熱が加わるため、熱効率が非常に高いことが特徴。魚や肉の焼き上がりは直火・ガスと同等以上。さらに水蒸気なので対流伝熱も早く、空気に比べて約10倍以上の早さです。

  • 過熱水蒸気は低温の物質に触れると凝縮し、その時物質に熱を与え品温を上げるという水蒸気本来の性質と、加熱空気のように物質を加熱する性質を持っているので、短時間で焼成が出来ます。

  • 製品の芯温を短時間で上昇させるので、冷凍魚・肉・パンなど冷凍食品では解凍と焼きの2工程を一度に短時間で、行なうことができます。

  • ある一定の温度以上になると、乾燥空気中より水蒸気中の方が乾燥が早く、蒸と乾燥が同時に行なえ、かつポーラス状態に仕上がるので、インスタントラーメンや製茶などに適しています。

  • 過熱水蒸気中は無酸素状態なので、油脂の酸化・ビタミンの破壊などが抑制され、製品の保存が向上します。また、食品の退色防止にも効果的です。

  • 水は蒸発する時に油分を抱え込む性質があり、この性質は脱油効果として利用できます。

ダイハンは、特殊IH方式(電磁誘導加熱)で過熱水蒸気発生装置「スーパースチロボ」を独自に開発しました。

過熱水蒸気による調理

食材の水分を取り過ぎず表面の硬化を防ぎ(歩留まり85%以上)、素材の旨味を引き出し調理します。

乾燥させず焼き上げるのでジューシーで美味
柔らかく仕上がり、旨味が増し脂っこさなし
天ぷら 衣に粉末油脂を加えるだけで、低含油天ぷらが出来ます
パン 表面は薄くパリッと、中はもちもちっとした食感
野菜 大根では豊かな甘み・葉野菜では鮮やかな青み
目玉焼き 艶のあるとても美しい仕上がり
角が取れ、深みのある上質な味わい
牛乳 甘みが強くクリーミーに

過熱水蒸気による焼成

パン

グラタン

過熱水蒸気の現在考えられうる使用用途例

~100℃ ・ガス調理の代用
・瞬間湯沸かし
120~200℃ ・レトルト殺菌
・食品、粉体、医療機器等の殺菌
・O157対策
200~300℃ ・食品調理(解凍・焼成・解凍同時焼成・加熱・殺菌・蒸煮・蒸焼・焙煎・乾燥)
【例:パン・魚・肉・卵焼成、 コーヒー・茶葉焙煎】
300~700℃ ・金属の焼き入れ、焼きなまし
・フロンの代替洗浄
700℃~ ・ゴミ焼却(ダイオキシン対策)
・炭化
・昇華(物質のガス化)